教員を辞めようと思ったとき、最初に考えることは何でしょうか。
「この仕事を続けられるだろうか」
「退職した後、何をしようか」
「転職するべきか、それとも少し休むべきか」
私自身も、教員を辞めることを考えるようになってから、いろいろなことを考えました。
しかし、最終的に私が最も重要だと思ったのは、意外にも「家計管理」でした。
退職するかどうかを考える以前に、
自分はいくらあれば生活できるのか。
これが分からなければ、退職後の生活を具体的にイメージすることができないからです。
そこで私は、退職を決める数年前から家計簿ソフトを使い始めました。
毎日の支出を漏れなく記録し、自分のお金がどこから入って、どこへ出ていくのかを把握するようにしました。
今振り返ってみても、これは退職を考えるうえで非常に大切な準備だったと思っています。
「毎月いくら使っているのか」を知らなかった
会社員でも教員でも、毎月給料が振り込まれていると、それだけで何となく生活できてしまいます。
- 家賃や住宅ローン
- 食費
- 電気・ガス・水道
- スマートフォン
- 保険
- 車
- 趣味
- 旅行
- 税金
- 社会保険料
こうした支出を一つ一つ考えてみると、思っていた以上にお金は出ていきます。
しかも、毎月必ず発生する支出だけではありません。
自動車税、車検、保険料、固定資産税、家電の買い替えなど、年に一度、あるいは数年に一度発生する支出もあります。
そこで重要になるのが、
「毎月いくら使うか」だけではなく、「年間でいくら必要なのか」
という視点でした。
家計簿ソフトで「お金の流れ」を見える化した
私が意識したのは、とにかくお金の流れをもれなく把握することでした。
家計簿ソフトを使って、
「銀行口座からいくら出ているのか」
「クレジットカードでいくら使っているのか」
「毎月どんな固定費が発生しているのか」
「年間でどれくらいのお金が必要なのか」
を確認しました。
これを続けていると、自分のお金の使い方が少しずつ見えてきます。
そして、ここからが退職を考えるうえで重要でした。
「今の生活なら、毎月20万円必要なのか」
「25万円必要なのか」
「年間では300万円なのか、400万円なのか」
数字が見えてくると、退職後の生活を具体的に考えられるようになります。
逆に、この数字が分からないまま「何とかなるだろう」と退職してしまうのは、私には少し怖く感じました。
銀行口座はいくらある?
家計管理をするなら、毎月の収支だけでは不十分です。
私は銀行の預金口座についても確認しました。
普通預金はいくらあるのか。
定期預金はあるのか。
複数の銀行にお金が分散していないか。
そして、証券会社の口座にはいくらあるのか。
NISAで運用している資産はいくらなのか。
こうしたものを一度整理してみました。
すると、
「自分の資産が全部でどれくらいあるのか」
が見えてきます。
銀行預金だけを見てもいけません。
反対に、証券口座の残高だけを見てもいけません。
現金、預金、投資資産などを含めて、自分が現在どれくらいの資産を持っているのかを把握することが大切だと思います。
「あと何年生きるのか」も考えてみた
そして、退職を考えるときに避けて通れないのが老後です。
例えば50歳で仕事を辞めたとして、60歳までの10年間をどう生活するのか。
60歳以降はどうするのか。
年金はいくらくらいになるのか。
65歳以降は毎月いくら必要なのか。
年金の受給は繰り上げるのか、繰り下げるのか。
さらに、その後何歳まで生活することになるのか。
もちろん、自分が何歳まで生きるかなんて誰にも分かりません。
だからこそ、私は「かなり長く生きる可能性」も考えておく必要があると思いました。
退職後に必要なお金を考えるとき、
「65歳まで」
だけではなく、
「80歳、90歳になったらどうなるだろう」
というところまで考えてみる。
これは精神的にはなかなか大変です。
しかし、数字にしてみると、「何となく怖い」という状態から、「これくらい準備しておけばいい」という具体的な問題に変わっていきます。
退職後は「給料」がなくなる
教員を辞めるということは、当然ですが毎月の給料がなくなるということです。
在職中は、
「毎月給料が入ってくる」
ことが当たり前になっています。
しかし退職すれば、その当たり前がなくなります。
そこで重要になるのが、
資産からいくら使うのか
という考え方です。
例えば毎月20万円使うなら、年間では240万円。
月25万円なら年間300万円です。
これを数年間続ければ、それなりの金額になります。
さらに、退職後には税金や社会保険など、現役時代とは異なる負担が発生する場合もあります。
だからこそ、
「退職後の生活費はいくらなのか」
「収入は何があるのか」
「資産はいくらあるのか」
「いつから年金を受け取る予定なのか」
などを、一度整理しておくことが大切だと思います。
家計管理をすると「本当に必要なもの」が見えてくる
家計簿をつけていると、面白いことがあります。
最初は、
「もっと節約しなければ」
と思っていたのに、実際に数字を見てみると、問題は意外なところにあったりします。
ほとんど使っていないサービスの月額料金。
何となく加入していた保険。
必要以上に高い通信費。
使っていないサブスクリプション。
反対に、
「ここは自分にとって大切だから削りたくない」
という支出も分かってきます。
私の場合、家計管理は単なる節約ではありませんでした。
自分がこれからどんな生活をしたいのかを考える作業
だったのです。
教員を辞めるか迷っている人にも家計管理をすすめたい
「教員を辞めたい」
そう思っている人の中には、
「でも、お金が心配だから辞められない」
という人もいると思います。
私も、この問題は非常に重要だと思っています。
ただ、「お金が心配」というだけでは、なかなか答えが出ません。
だからこそ、まず数字にしてみる。
毎月いくら必要なのか。
年間ではいくらなのか。
預金はいくらあるのか。
投資資産はいくらなのか。
退職後に収入はあるのか。
年金はどうなるのか。
そして、今の資産で何年間生活できる可能性があるのか。
こうしたことを一つずつ確認していくのです。
すると、
「思っていたより大丈夫かもしれない」
という場合もあれば、
「もう少し働いて資産を増やしたほうがいい」
という場合もあります。
大切なのは、どちらかを最初から決めつけることではありません。
自分の数字を知ることです。
一人で家計を整理するのが難しかったらFPという選択肢
ここまで書いてきましたが、実際にはお金のことを一人ですべて整理するのは簡単ではありません。
家計簿をつけることはできても、
「この資産配分で大丈夫なのか」
「退職したら税金や社会保険はどうなるのか」
「老後資金はいくら必要なのか」
「保険は必要なのか」
「NISAなどの資産をどう考えればいいのか」
など、分からないことはたくさん出てきます。
そんなときに選択肢になるのが、FP(ファイナンシャルプランナー)への相談です。
FPは、家計、保険、資産形成、住宅、教育、老後など、お金に関する幅広い分野について相談できる専門家です。
もちろん、FPに相談したからといって、必ず何かを契約しなければならないという意味ではありません。
まず自分の家計を整理して、
「今の状態を客観的に見てもらいたい」
「退職後の生活について相談したい」
という使い方も考えられます。
FP相談サービスを利用する場合は、相談料の有無、相談範囲、金融商品の販売を行うかどうかなど、サービス内容を確認してから利用することをおすすめします。
「辞める・辞めない」を決める前に、お金を知る
教員を辞めるという決断は、仕事だけの問題ではありません。
生活そのものに関わる問題です。
だから私は、退職を考えるのであれば、できるだけ早い段階から家計を整理しておくことをおすすめしたいと思っています。
毎日の支出を記録する。
毎月の生活費を把握する。
年間で必要なお金を計算する。
銀行口座を確認する。
証券会社の口座を確認する。
NISAなどの資産を整理する。
将来受け取れる年金について確認する。
そして、退職後にどのくらいのお金が必要になるのかを考える。
これを数年前からやっておけば、退職直前になって慌てる必要がありません。
そして何より、
「自分は本当に辞めても大丈夫なのだろうか」
という不安を、少しずつ数字で確認できるようになります。
教員を辞めるのか。
続けるのか。
転職するのか。
しばらく休むのか。
その答えは、人によって違います。
私自身も、自分の人生について考える中で家計管理の重要性を強く感じました。
もし今、仕事を辞めることを考えているなら、まずは「辞めた後の人生」を考える前に、今のお金の状態を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。
そして、自分一人では整理するのが難しいと思ったら、FPへの相談を利用するのも一つの方法です。
お金の不安を「何となく怖い」で終わらせず、数字にして見えるようにする。
それだけでも、これからの人生について考える材料になると思います。
※本記事は私自身の経験や考えをもとにしたもので、特定の金融商品、保険、投資方法、退職の判断を推奨するものではありません。FPへの相談を含め、実際の資産運用・保険・退職などについては、ご自身の状況を確認したうえで個人の判断と責任でお願いします。

