教員免許更新制度とは何だったのか?|元教員が振り返る「学び直し」と資格取得

仕事

「教員免許更新制度って、結局なんだったんだろう?」

元教員の私が、今振り返ってみても、そう思うことがあります。

教員として働いていると、授業、生徒指導、保護者対応、校務分掌、会議、書類作成、行事など、とにかく毎日の仕事に追われます。

そんな中で、一定期間ごとに教員免許を更新するための講習を受ける。

当時は「これも教員の仕事の一つだから」と考えていました。

しかし、今になって考えると、あの制度は教員にとって何だったのでしょうか。

そして、教員を辞めた今だからこそ思うのが、

「学び直すなら、教員免許のためだけではなく、自分の人生に役立つ資格を取ってもよかったのではないか」

ということです。

今回は、以前存在した教員免許更新制度について振り返りながら、教員を辞めた後の資格取得や学び直しについて考えてみたいと思います。

教員免許更新制度とは?

教員免許更新制は、平成21年(2009年)4月1日から始まった制度です。

文部科学省によると、制度の目的は、教員として必要な最新の知識や技能を身につけることで、教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会からの信頼を得ることとされていました。

簡単に言えば、

「教員免許を持っているだけではなく、定期的に勉強して免許を更新しましょう」

という制度です。

平成21年4月1日以降に授与された「新免許状」には、原則として10年間の有効期間が設定されました。

そして、更新するためには、一定期間内に免許状更新講習を受講し、修了する必要がありました。

30時間以上の講習と3万円の自己負担

この制度で大きかったのが、更新講習の受講です。

原則として、

・必修領域
・選択必修領域
・選択領域

を合わせて、30時間以上の講習を受ける必要がありました。

当時の制度では、必修領域6時間以上、選択必修領域6時間以上、選択領域18時間以上という構成でした。

また、平均約3万円の講習料は自己負担でした。

大学などが開設する講習を探して、自分で申し込み、受講し、修了認定を受ける。

さらに、その修了証明書などを使って、教育委員会への手続きを行う必要がありました。

つまり、

講習を受ければ、それで全部終わり

というわけでもありませんでした。

教員として忙しく働いている人にとって、この手続き自体も負担だったと思います。

そもそも、なぜ更新制度が作られたのか

制度の趣旨そのものを否定するのは簡単ではありません。

教育を取り巻く環境は変化します。

ICT教育、特別支援教育、いじめ、不登校、情報モラル、学習指導要領の改訂など、教員が学び続ける必要性は確かにあります。

実際、更新講習の内容にも、教育政策、子どもの発達、心理学、特別支援教育、学校を取り巻く課題などが含まれていました。

「教員も学び続けるべきだ」

これは私も、その通りだと思います。

問題は、

「免許を更新するための学び」と「教員自身が本当に必要としている学び」が同じなのか

というところではないでしょうか。

忙しい教員にとって更新講習はどうだったのか

学校現場は、とにかく忙しい。

授業だけをしていればいい仕事ではありません。

朝から勤務し、授業をして、休み時間には生徒対応。

放課後には部活動、会議、校務。

さらに家庭に帰ってから仕事をすることもあります。

そんな毎日の中で、休日や長期休業中などを使って更新講習を受ける。

もちろん、講習そのものが役立ったケースもあったでしょう。

新しい知識を得たり、他の学校の教員と交流したりする機会になった人もいると思います。

一方で、

「免許を失効させないために受けなければならない」

という感覚になっていた教員も、少なくなかったのではないでしょうか。

私自身も、今振り返ると、

「あの時間を、自分自身の将来のための勉強に使っていたらどうだっただろう」

と考えることがあります。

そして2022年、教員免許更新制は廃止された

この制度は、ずっと続いたわけではありません。

令和4年(2022年)7月1日から、教員免許更新制は「発展的に解消」されました。

文部科学省のQ&Aによれば、2022年7月1日以降に新たに授与される教員免許状は、有効期限のない生涯有効なものとなっています。

また、2022年7月1日時点で有効だった免許状についても、特別な手続きをすることなく有効期限のない免許状となりました。

つまり現在は、

「10年ごとに免許を更新しなければ教員免許が失効する」

という仕組みではありません。

これは、現役教員にとっても大きな制度変更だったと思います。

教員免許更新制がなくなって、教員は学ばなくてよくなったのか?

ここは誤解してはいけないところです。

免許更新制がなくなったからといって、

「教員はもう勉強しなくていい」

という意味ではありません。

むしろ、これからは「何を学ぶのか」が重要になったのではないでしょうか。

免許を更新するためだけに、3万円をかけて30時間勉強するのではなく、

自分の授業のために学ぶ。

生徒理解のために学ぶ。

将来のキャリアのために学ぶ。

そして、

教員を辞めた後の人生のために学ぶ。

私は、こちらのほうが大切なのではないかと思います。

元教員だからこそ「資格」を考えてみる

教員を辞めた後、

「自分には何ができるんだろう?」

と考える人は少なくないと思います。

教員免許を持っている。

学校現場で何年も働いてきた。

生徒や保護者、同僚とコミュニケーションを取ってきた。

文章を書いたり、資料を作ったり、説明したりする経験もある。

それでも、転職市場を見ると、

「教員以外の仕事って、何ができるんだろう?」

と不安になることがあります。

そんなときの一つの選択肢が、資格取得です。

もちろん、資格を取れば必ず転職できるというわけではありません。

資格だけで人生が変わるわけでもありません。

しかし、資格取得のために勉強することで、

「自分にはこれができる」

という新しい軸を作ることはできます。

例えば、こんな資格を考えてみる

私は、個人的にお金について興味があったため、まずは簿記3級とFP3級の勉強をしました。

資格にはさまざまな種類があります。

たとえば、

・簿記
・ファイナンシャルプランナー
・行政書士
・社会保険労務士
・宅地建物取引士
・IT関連資格
・心理・福祉関連資格
・介護関連資格

などです。

もちろん、すべての資格を取る必要はありません。

重要なのは、

「資格を取ること」ではなく、「資格を取って何をしたいのか」

を考えることです。

転職したいのか。

副業につなげたいのか。

独立したいのか。

現在の仕事に生かしたいのか。

定年後の仕事に備えたいのか。

目的によって、選ぶ資格は変わってきます。

独学と資格スクール、どちらがいい?

資格取得を考えると、次に出てくるのが、

「独学でいいのか?」

という問題です。

もちろん独学で合格できる資格もあります。

私自身、最初は「本を買って勉強すればいいのでは?」と思っていました。

ただ、資格によっては、試験範囲が広く、勉強方法が分かりにくいものもあります。

そういう場合には、資格スクールを利用するという方法があります。

資格スクールのメリットは、

「何を、どの順番で勉強すればいいのかが分かりやすい」

ことです。

教材、講義、問題演習、模擬試験などがセットになっている講座もあります。

仕事をしながら資格取得を目指す人にとっては、勉強時間を効率よく使えることも大きなメリットです。

特に教員経験者は、仕事そのものが忙しくなりがちです。

「時間がないから資格の勉強ができない」

ではなく、

「限られた時間で効率よく勉強するにはどうするか」

という考え方も必要だと思います。

教員免許更新制で勉強したならば、今度は自分のために勉強してみる

教員免許更新制度では、自費で約3万円かけて30時間以上の講習が必要でした。

当時は、

「また勉強しなければならないのか」

と思った人もいたでしょう。

でも、今なら考え方を変えることもできます。

あの費用と時間を「免許を維持するための時間」と考えるのではなく、

「人生の選択肢を増やすための時間」

と考えるのです。

教員免許更新制はなくなりました。

だからこそ、これから学ぶなら、

「誰かに求められたから勉強する」

のではなく、

「自分の未来のために勉強する」

という姿勢が大切なのではないでしょうか。

元教員だからこそ、第二の人生を考える

教員を長く続けていると、

「この仕事を辞めたら何も残らないのではないか」

と不安になることがあります。

しかし、実際にはそんなことはありません。

教員として身につけた、

・人に説明する力
・文章を書く力
・相手の話を聞く力
・スケジュール管理
・組織の中で仕事をする力
・問題が起きたときに対応する力

などは、他の仕事でも活用できます。

そこに新しい資格や専門知識を加えれば、さらに選択肢を広げられる可能性があります。

教員免許更新制は、2022年に廃止されました。

でも、

「学び続ける」という考え方までなくなったわけではありません。

むしろ今度は、自分で学ぶテーマを選べる時代になったとも言えるのではないでしょうか。

まとめ――資格は「逃げ道」ではなく「選択肢」

教員を続けるのか。

転職するのか。

副業をするのか。

定年後に別の仕事をするのか。

人生の選択肢は一つではありません。

私自身、元教員として今振り返ると、

「もっと早く、自分自身のための勉強をしておけばよかった」

と思うことがあります。

教員免許更新制度はなくなりました。

しかし、資格取得のための勉強は、自分の未来のために始めることができます。

「何か資格を取りたいけれど、何から始めればいいか分からない」

そんな人は、まず資格スクールの講座を比較してみるのも一つの方法です。

無料の資料請求や講座案内を利用して、

「自分に合う資格は何か」

「どのくらいの期間が必要なのか」

「費用はいくらかかるのか」

を確認してから決めても遅くありません。

教員免許を更新するためではなく、今度は自分の人生を更新するために。

そんな気持ちで、新しい資格の勉強を始めてみるのもいいのではないでしょうか。

※本記事は教員免許更新制について、文部科学省の公開資料をもとにまとめています。現在の教員免許制度や資格試験の制度・受験資格等については、必ず各公式機関・資格スクール等の最新情報をご確認ください。資格取得が転職や収入増加を保証するものではありません。資格を選ぶ際は、費用、学習時間、難易度、取得後の活用方法などを確認し、最終的にはご自身の判断でお願いします。

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